2012年08月03日

親子富士登山

先週日曜と月曜で、6歳の長男を連れて富士登山へ行って来ました。今回の富士登山は、1年以上前から事あるごとに、富士山を意識させ、本人もやる気満々の状態でした。やる気があっても登山中なにが起きるかわかりません。まだ6歳なので、足がいたいだの疲れただのいろいろ訴えてくる事は容易に想像できます。その時、親子だけだと甘えたがります。実際、前回の針ノ木雪渓では甘えがでました。その時は、私も何が何でも登らせようと思っていなかったので、甘えさせましたが、富士山は自分で決めた事を最後までやり通す大切さを教えたかったので、今回は保育園時代の同級生とパパ友達を誘いました。
同じ年の子供がいると、互いにライバル視して、甘えを押さえる事が出来ます。もちろん、最終的な安全管理や体調管理は親がしっかりとしないと行けません(この線引きを誤ると虐待とも捉えかねませんので、しっかりと親が目的を持って登山計画をたてましょう)。

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さて、当日は晴時々ガスのなか、8時に富士宮口をスタート。山を歩き慣れていない子供たちはどこを歩いたら疲れにくいか、どのペースがちょうどいい歩くペースなのかがわからず直ぐに疲れてしまうので、私とパパ友達で子供たちを挟んで、ゆっくり克つ歩くペースを一定にゆ保ちながら歩きます。標高3000mを過ぎたあたりから動きも鈍くなって来たので、呼吸をするように促しながら登りました。といっても、6歳に理論的な話は通じないので、『ポケモンのレシュロムが口から火炎放射するみたいに「フー!」って吹きながら歩いてごらん』などと6歳用語をつかいながら、歩きます。
110cmの身長で大変なのが岩場です。富士宮ルートは8合目手前に岩場が出て来ます。小さい体をいっぱい使ってどこをつかんでいいかを教えながら登りました。
そして、今回一番危なかった場面。もうすぐ8合の小屋というところで、30m先の上部から「ガラ!」っという音がして直径50cmくらいの岩が落ちて来ました。15mくらい先に中年の登山者がいたので「らーっく!」と叫び、その登山者は飛びよけました。そして10mくらい手前で止まりました。原因は、下って来た方が落とした人為落石。中年の男性に当たっていれば解放骨折はしていたでしょう。落とした方も驚いていましたが、「当たらなかったのは運が良かっただけですよ。落とさないように気をつけて下ってください」と注意をせずにはいられませんでした。
9合目の小屋につく手前では、富士登山1000回以上を達成している実川さんと遭遇。一緒に写真を撮りました。聞くところでは既に1250回を越えているようで、算数を勉強し始めた1年生でもすごい回数というのは伝わっているようでした。そして万年雪山荘に1時に到着。登山口から5時間と順調なペースでした。

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実川さんにエールを送る

山小屋では、じっとしていると子供もつまらないし、寝てしまうと高山病に罹る可能性も高くなるので、17時の夕食までは小屋の前でUNO。楽しく過ごす事で、子供たちの気分を紛らわせる効果もありますし、しゃべったり笑ったりする事で呼吸につながります。
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夕食は定番のカレー。夕食後には綺麗な雲海と夕日が楽しめます。翌日に向けて子供たちと「今日はよく歩いたね。まだ歩けそうだったから明日も大丈夫だよ」などと子供たちを褒めてテンションをあげさせておくのも重要です。「登れそう?」という問いに、元気よく返事をする二人でした。

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そして翌朝2時に父二人は起床。日の出が4時45分なので2時半から45分には出発したいと考えていました。先に準備をして2時半に子供たちを起こしますが、二人とも声をかけてもびくともしないくらい爆睡していました。起こすのに10分くらいかかりましたが、そのまま着替えさせ、強引に朝ご飯(弁当)を食べさせました。朝早く起きて食べたくなさそうでしたが、食べる事で体を起こし、エネルギーを採らないと絶対に登れません。そして出発直前にハプニング。長男が鼻血を出してしまいました。止めるのにも時間がかかり、3時に出発。

明るい小屋を出て直ぐに天気がいいのに気付き、「空見てごらん」と言い子供たちにヘッドライトを消させました。ちょうど真上に白鳥座と天の川、夏の大三角形が見え、流れ星も見えました。子供たちはそれでハイテンション。すぐに岩場があるのですが、ヘッドライトで照らされた岩場を元気にのぼり、先行している大人の登山者をプッシュしまくっていました。9合5尺の小屋で一休みしたあと、一気に山頂を目指し、日の出10分前に富士宮口山頂の鳥居に到着しました。

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そして、そのまますぐ横の伊豆ヶ岳までもうひと登りし、ご来光を拝みました。

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ご来光の後には、反対方向に影富士も見る事ができました。息子の同級生の友達は、ちょっと疲れてこのまま帰りたいと言っていましたが、長男は元気で最高峰の剣ヶ峰に行きたいと言っていたので、一緒に行こうと励まし頑張って剣ヶ峰まで行きました。山頂につく頃には、友達も回復していて、「これ以上高いところは日本に無いんだよ」というと「ヤッタねー」「富士山キター」と仮面ライダーフォーゼ張りの元気で喜んでいました。私もパパ友達も最高の気分でした。
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ただ、登山は山頂が折り返し地点に過ぎません。特に剣ヶ峰直下の馬の背は滑りやすく、子供たちには少々危ない箇所です。二人にスリングで簡易ハーネスをつけ、確保しながら下りました。

その後も、富士宮口の山頂を6時に降り始め、要所要所で危ないところは、慎重に下ったり、確保したりするなどしました。最後には長男がバテてしまいましたが、なんとか11時前に登山口に到着。子供二人のテンションが入れ替わるのも面白く、だからこそ親子だけではなく、友達と一緒に行くことで励まし合ったり、競い合ったりできると思いました。それにしても初日5時間、二日目8時間を二人ともよく歩きました。帰りがけに富士山の見える温泉に立ち寄り、「あそこにいたんだよ」と湯船に浸かりながら至福の時間を過ごしました。

親子登山は大変な部分もありますが、子供と時間を共有できるのでいいですね。

安藤隼人
posted by トレーナー at 18:06| Comment(0) | 親子登山

2012年07月17日

山は冬。里は猛暑。

昨日くらいから全国的に猛暑となったようですね。先週と今週の週末は山に行っていたので、この暑さに慣れるのが大変です。
まず先週は、ある会社の研修登山で富士山の引率に行きました。予報では初日に雷雨でしたが、予想外に晴れ七合目までは順調でした。そして夕方18時には寝て、23時に起き、0時に七合目を出発。4時30分の山頂でのご来光を目指しましたが、濃いガスによる霧雨と弱い寒気の強風で体感マイナスの中の登山となりました。しかも週末の混雑と例年より多い残雪の影響で下山道が使えず、9合目前から大渋滞。100m進むのに10分以上かかるような状況です。風も収まる気配がなかったので山頂目前にして引き返してきました。あのまま動かずに風に当たり続ければ低体温症になるであろう事は容易に想像できました。グループのなかで比較的元気な男性は、登りたかったようでしたが、女性数名に余裕がなく全員下山としました。
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写真はそんな状況でも富士山を目指す親子です。富士山ブックに親子登山について書かせていただいていますが、天候の状況を踏まえた安全な判断は親しか出来ません。この子たちが登れるという事よりも無事に降りて来れているかが心配です。

そんな事を考えながら、先日は長男を連れて北アルプスの日本三大雪渓の一つである針ノ木雪渓へ行って来ました。しかし、天気が悪く初めから雨具を着ての登山。
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足下が滑りやすいので、長男は初めからスリングで簡易ハーネスを作り、ヘルメットを被せショートロープで確保しながら歩きました。当日は朝2時半に起きて連れ出した事もあり、途中テンションが低めでしたが、長い雪渓に取り付くと大はしゃぎ。雪渓は数日前からの雨で固くしまった氷状のスプーンカット状態でアイゼンなしでは歩きにくい状況だったので、長男の登山靴には軽アイゼンをつけ私は12本のアイゼンで雪渓登行。
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初めは快調に歩いていたものの、斜面から吹き下ろす冷たい下降気流に「体が凍っちゃうよ」と冗談っぽく言いながらも寒そうだったので、途中で引き返して来ました。
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せっかくテントを担いであるいていたので、途中の小屋でのキャンプに変更。早々にテントに入った後は、長男とUNOと、オセロ三昧の父子キャンプに。長男的には次男の邪魔無く遊び相手としての父を独占できて満足気でした。夜の星も期待していたのですが、結局朝まで雨。片付けが大変でしたが、帰りの車で長男が「お山はテレビないしフォーゼ見れなかったけどパパとお山行ってる方が楽しかった」と言ってくれたので、長男孝行できたキャンプでした。

親子登山は、親子関係の構築にとても良い経験が出来ると思う反面、保護者がリスクを考え臨機応変な対応が求められると思います。様々な状況に対応できる体力と装備を準備してから子供たちと自然体験の共有が出来ると、素晴らしい想い出となるでしょう。

安藤隼人
posted by トレーナー at 18:04| Comment(1) | 親子登山

2012年05月15日

龍ヶ岳スイカ割り

最近、長男がお山に行きたいと言っていたので、先日は親子で山梨県の龍ヶ岳へ親子登山へ行ってきました。次男が体調を崩していたので、メンバーは、長男と保育園時代のパパ友達親子の4人。子供は二人とも小学1年生で男だけの親子登山です。
7時に合流し車で出発。2時間で本栖湖湖畔のキャンプ場の登山口へ到着。初めは樹林帯の急な登りですが、子供たちは元気にどんどん登っていきます。勢いが良すぎて、後でバテそうだったので、隊長を決めて歩かせる事にしました。隊長は、隊員の状況を考えながら歩く。隊員は、隊長の言う事に従い、隊長より前を歩かないなどの決めごとを作り、登山と言っても自分勝手に歩くのではなく、チームとして一緒に登る事を目的に、リーダーシップの勉強になるようにしました。
1時間ほど歩くと樹林帯を抜け景色が良くなります。ちょうどその頃に東屋もあるのでそこで一休みし、隊長も交代して山頂までさらに登ります。そこからは風も心地よく富士山を眺めながらのとても気持ちのいい登山ができました。
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小学生になり体力も十分ついてきたので、ほぼコースタイム通りの2時間で山頂に到着。山頂はとても広く意外に多くの人がのんびりと過ごしていました。富士山はもちろんのこと、澄んだ空気の快晴だったので、八ヶ岳、南アルプス、北アルプスまで見えました。
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そして、去年からやりたいと考えていた、スイカ割りをしました。スイカは小玉のものを前日にスーパーで用意して、まな板と包丁を準備。小学1年性の力ではそう簡単に割れませんし、本当にスイカ割りをすると後の片付けも大変なので、目隠しをしてストックを使ってスイカ当てゲームにしました。
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このような子供が面白がるイベントを山頂でのご褒美として用意しておくと、子供は俄然やる気で登山もするので、いろいろ工夫すると楽しい登山も出来ます。いい景色を眺めながらの初物スイカは最高においしかったです。子供たちも大喜びでした。ただ、終わったあとのゴミも当然下ろさないといけないので、その準備も忘れずに。

山頂にたっぷり1時間いて12時には下山開始。下山もずっと天気がよく、5月らしい陽気の最高の登山でした。ただ、富士山の雪の量は4月上旬かというくらい雪が多かったです。長男は、ハイカットの登山靴でくるぶしを靴擦れし、テンションダウン、ペースダウン。下山はコースタイムより余計にかかりましたが、1時間45分で14時前に降りてきました。
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予定では、富士眺望の湯ゆらり温泉に入ってから帰る予定でしたが、近くで開催されていた芝桜祭りの影響で道路が渋滞。帰りの中央道の渋滞にはまる時間も最小限にしたかったので、そのまま都内へ向かい、自宅近くの温泉に入り18時過ぎに帰ってきました。

反省として、子供用登山靴を長男に履かせたのですが、靴擦れをしてしまいました。痛みに対して我慢できるようになってきましたが、痛みが出ないように歩き方を小股にするよう教えるか、靴自体をローカットの運動靴にしても良かったかもしれません。あと、快晴でしたが、ゴアテックス雨具、ヘッドランプ、ファーストエイドキットは必ず持っていきました。

このような親子で山に行く際に安全で楽しく行えるよう、親子登山記事について、ブログでカテゴリ分けをしました。参考にしていただけると幸いですし、もっとこうした方が良いというようなご意見も頂けると幸いです。
また、今月中にエイ出版社から発売される富士山ブック(ムック本)にも親子登山の注意事項マニュアルを執筆しました。こちらも是非ご覧下さい。

安藤隼人
posted by トレーナー at 11:19| Comment(0) | 親子登山

2011年11月04日

明神山親子登山

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昨日は5家族合同で親子登山をしてきました。山中湖の近くで富士山の展望が素晴らしい明神山です。登山といっても丘みたいなもので、登りも45分くらいで登れてしまいます。山頂も広く子どもたちは鬼ごっこもできます。
子どもたちが遊んでいる間に、大人は昼食の準備。大きな鍋に下ごしらえをした野菜、お肉、つみれなどなどいろんな具材を入れてちゃんこ鍋を作りました。いろんな食材のダシが絶妙にマッチして極上の鍋ができ、景色の良さも手伝って格別な鍋となりました。
1日曇っていましたが、11月にしては気温も高く風もなかったので、過ごし易い一日でした。
安藤隼人
posted by トレーナー at 20:00| Comment(0) | 親子登山

2011年10月15日

大菩薩嶺親子登山

先週末は、いつもの山仲間(家族)と大菩薩嶺に親子登山へ行ってきました。大菩薩嶺は首都圏からも近く、3連休の中日で天気もよかったからか、駐車場は第3まで満杯だったため、ちょっと離れた第4駐車場へ。車は合計すると100台以上は止まっていたでしょう。
山に入っても多くの人で賑わっていました。

途中にある福ちゃん荘。赤軍派が拠点とし、大菩薩峠事件のあった場所です。今ではその事実すら知らずに登っている人も多いでしょう。そこで見つけた面白いブランコ。
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注意書きがシャレてました。クリックして拡大してみて下さい。

プライベード登山なのですが、山と渓谷で親子登山の記事を書いている立場上、どうしても親子登山パーティーに目がいってしまいます。
親子共々軽装で歩いているパーティー。子どもだけが先行して親が遅れて登るパーティー。遭難予備軍パーティーがたくさん見かけられました。
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軽装かつヘッドホンで自分の世界に入る子どもと一緒に歩く親。思春期の子どもと親子登山となると、こうなるのでしょうか?
まだ子どもが小さい私には理解・想像できませんが、日頃から親子のコミュニケーションが大切という事だけは勉強させられました。

いろいろ懸念していたら、同じ週末に四国で親子連れの遭難騒ぎもありました。

親子登山の良さと、リスクマネージメントについて、もっと啓蒙が必要です・・・と言うのは簡単。
行動しなければ何も変わりません。実は来年の春先を目標にある事を計画しています。メドがついたらまた報告します。

安藤隼人
posted by トレーナー at 16:58| Comment(0) | 親子登山

2011年08月15日

親子登山

山と渓谷8月号に掲載した親子登山の記事、ならびに注意事項についてのコラムがウェブでも紹介されています。先日富士山に行った際も親子連れが多かったですが、親が大丈夫ですか?というグループをいくつも見ました。下の写真は子どもが疲れたか寝てしまったので、だっこして下ろす親です。両手が塞がれて、ザレている斜面で足を滑らせたら、自分だけでなく、子どもも怪我をするでしょう。
両手で抱えて下ろす親
山と渓谷の親子登山ページに安藤流の親子登山心得が掲載されています。マニュアルとされていますが、「絶対」ではなく、またこれがすべてではありません。ただ、全く知識のない状態で子どもを連れて行くと、子どもを危険にさらすことにもなるので、親はリスクマネージメントを行う義務があります。富士登山ですれ違う親子連れを見ていると、リスクすら認識していない状態で登山する親が多いように思います。
歩かなくなった時にどうする?
上の写真のように、足が痛い、疲れたと言ったときにどのように子どもと接すればよいか事前の日帰り登山などで訓練してから挑戦しましょう。

去年の富士山では、親の後ろで下山中に石を投げている子どもに対して、知らん顔の親もいました。落石がどれくらい危険で、自分たち以外にどのような影響があるかすら性格に判断できている保護者が少ないように感じます。特に富士山は多いです。登山初心者で無知の親・保護者が多いように感じます。おそらく、そのような親に限って、保険もかけていないでしょう。山に入る時は、怪我や入院の保証だけでなく、賠償責任(落石で他人に怪我をさせた場合など)も対応できるレジャー保険があるので、必ず入りましょう。

残念ながら先日、奥穂高のザイデングラードで小学校2年生の子どもが、祖父と共に滑落し、亡くなりました。関連記事
落石が原因のようですが、人為落石の可能性も考えられます。またザイデングラードのような岩場は、小学生は確保して登下行させるべきでしょう。確保技術に自信がなかったら連れて行かないという選択肢もあります。

親子登山は良い面もありますが、自然と対峙する危険は単独登山だろうが親子登山だろうが変わりません。親子登山が増えているようなので(関連記事)、だからこそ身の丈に合った登山を、親子で楽しみましょう。「危ない事」を「危ない」と認識すらしていない事が一番「危ない」です。
安藤隼人
posted by トレーナー at 22:04| Comment(0) | 親子登山