2012年06月06日

登山医学

先週末は2012年度になって初めての認定山岳医研修が宇都宮で開催されました。そして、6月2週目の週末は福岡で学術集会が開催されます。シンポジストになっているのですが、裏方準備のほうが忙しく、まだ準備できていません。どうなることやら。
ところで17日は市民公開講座も予定されており、5月に北アルプスで発生した低体温症遭難事例について、救助にあたった奥穂高岳山荘の方もお招きし公開討論も行います。登山に興味のある方で福岡近辺にお住まいの方は、是非ご参加ください。
詳しくは学会HPをご覧下さい。
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2012年02月20日

札幌山岳医研修

17日から19日まで、日本登山医学会主催の講演会と認定山岳医研修会が札幌であり、お手伝いに行ってきました。

日本登山医学会の認定医制度は、国内の独自資格ではなく国際スタンダードに基づいた制度です。今回、制度を認定している機関の一つである国際山岳連盟医療部会の副代表Dr.John Ellerton が、日本制度の視察と講師役として来日しました。

まず金曜日の夜は、Dr. Johnと、国内初の国際山岳医である大城和恵医師が演者となり、雪崩埋没後の処置と低体温症の処置の新たな国際スタンダードについて、一般向けの講演会が行われました。一般向けといっても、消防関係者や航空自衛隊救難隊のメンバーなど、遭難救助のプロフェッショナルも多く参加していました。

そして土日は、テイネ山周辺を使った実習が行われ、北海道警察に全面的に協力していただきました。
はじめは隊員による、低体温症と雪崩埋没の遭難救助デモンストレーション。発見→要救助者のバイタル確認→保温・加温→搬送準備・状況報告→ヘリのランデブーポイントへの搬送と、無駄のない動きに受講生の医師らも感嘆しているようでした。隊員全員が積極的に声を出し合い、迅速かつ的確かつ丁寧な対応でさすがは日々訓練されている隊員だと思いました。
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さらにこの研修会の一番の目玉としてヘリコプターレスキューがありました。土曜日は午前中から雪が断続的に振り、ヘリ実習も半ば諦めていましたが、道警担当者の的確な判断で、「だいせつ」が実習場所へ飛んできました。
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事前に打ち合わせていた3名の受講生医師が要救助者役となり、頭上10〜5mのところでホバリングしながら、隊員の降下→ファーストエイド・一時救命処置→要救助者をホイストでつり上げをおこないます。
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すぐ近くでホバリングしている際の下降気流(ダウンウォッシュ)は、とてつもない風で、雪と混じって当たりを一瞬で猛吹雪と化します。その中で記録写真をとろうと風を正面から受けていたのですが、そのままだと数分で凍傷になってしまうだろうと簡単に想像できるくらい、強烈な風でした。私も何度かヘリコプターに乗った事はありましたが、一度ランディングすると出力を弱くしますし、冬山でのダウンウォッシュは初めてだったので、とても良い経験になりました。
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私は、2年前の山岳医制度発足からほぼすべての研修会に出向いて研修のサポートをさせていただいていますが、回数を重ねる度に受講生医師のスキルもあがっているように思いました。実践的なトレーニングを受けた山岳医が増えると、山岳遭難救助だけでなく海難救助や自然災害での救助においても救命率の向上につながると思います。

ただ山岳医が増えても、北海道警察のように医療との連携に積極的な機関が増えなければ組織救助はうまくいかないのも事実です。もちろん警察だけでなく、消防、自衛隊、海上保安庁など組織間の連携も必要になってきます。東日本大震災を機に徐々に変わりつつあるようですが、北海道は各機関の連携も本部同士で行われているようで、モデルになると感じました。

学会としての私の仕事は、このような活動が行われているという事を、組織のトップや政治家に目に留まるような広報をする事ですので、今後もダウンウォッシュに負けずカメラを向け、登山医学会の活動を広めていきたいと思います。

安藤隼人
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2012年02月09日

ダイアモックスの効果について(アンケートより)

低酸素トレーニングをお受けいただき、10月にエベレスト街道へご出発された方々から、ご帰国後にアンケートをご返信いただきました。お二方とも登頂に成功されたとこのと、私どもも大変嬉しく思います。また、ご返信いただいたアンケートに、現地でのダイアモックス服用のことを記載いいただきましたので、ご紹介いたします。

●67歳男性 ゴーキョピーク、カラパタール登頂
「今回は貴社の御指導で、ダイアモックスの服用を極力さける方針で、ガイドとも打ち合わせの上、同行者が高山病を発症したが、服用せずに呼吸法と高度順化運動で克服した。ダイアモックスへの迷信を打破すべく、旅行業社へも啓蒙してほしい。」

●66歳男性 ゴーキョピーク、カラパタール登頂
「弊社にダイアモックスの副作用を指摘されていたが、現地ガイドは”特に飲む必要はない”という判断であり、欧米のトレッカーは飲んでおらず、弊社で指摘された通りであった。専門の立場からのいろいろなアドバイス、ありがとうございました。」

ダイアモックスの服用については、弊社にお越しいただく方からも多く質問されます。ダイアモックスは必ずしも高山病に効くという訳ではなく、むしろ副作用の方が大きく出てしまう方もいらっしゃいます。”高山病に効く薬”として見られがちですが、デメリットもあることをしっかり理解しておく必要があります。(ダイアモックスの効能詳細についてはこちらhttp://www.snowdolphins.com/hypoxia/qanda.html)薬に頼ることなく、自分自身で高山病への対処方法を行なえるように、私たちもアドバイスさせていただいています。上記の方のようなコメントをいただけて、嬉しく思っております。

許斐
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2012年01月22日

山岳救助世界の最前線 講演会

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来月2月20日月曜日に日本登山医学会主催の「山岳救助世界の最前線」講演会が開催されます。
ICAR(国際山岳救助協議会)医療部会副代表であり国際認定山岳医制度DiMM(Diploma in Mountain Medicine)の国際副責任者であるJohn Ellerton氏をお招きし,講演会を開催します。
詳細は日本登山医学会HP http://www.jsmmed.org/pg81.htmlをご覧下さい。

安藤隼人
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2012年01月17日

八ヶ岳冬山訓練実習

週末から月曜日にかけて、八ヶ岳赤岳鉱泉をベースに、日本登山医学会認定山岳医研修会八ヶ岳クラスタが開催されました。私は、実行委員会スタッフとして参加してきました。

国際山岳医は、遭難対策協議会メンバー(警察、ガイド、山小屋関係者ら)と同じように遭難現場へ行き救助活動を行う事が期待されています。ですので、遭対協メンバーが、この医師なら自分で安全を確保できるから、救助に同行して要救助者に対し現場で医療処置を積極的にもらいたい、と思えるレベルの登山技術や体力を有しているかを評価するのが目的の研修会です。

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初日は、登山道に倒れている低体温症の要救助者役。3度の低体温症(意識なし、呼吸ありの状態)になった参加している医師にされるがまま。途中、意識を戻して錯乱状態になるという演技付き。演技もおふざけではなく本気でやりました。

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二日目は、バリエーションルートの大同心稜での登山実習。ガイドと共に参加された方が自分自身でしっかりと登山ができているかチェックする立場だったので、森林限界を越えた2500m以上にあまり動かず4時間。とても寒かったです。

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三日目は、ジョウゴ沢でのアイスクライミング実習。

私自身も、登山技術を再確認する事ができ、勉強になりました。

ちなみに、3日間で平均してマイナス20度の気温のなか行ったので、今日の東京は最高気温が8度でしたが、寒くありませんでした(笑)。


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2011年12月15日

パルスオキシメータ

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昨日のお客様が持参されたパルスオキシメータ。なんと3,000円だったそうです。
わたしもお客様からいろいろ問い合わせを頂くので、市販品のパルスオキシメータ相場は安くて2万弱と思っていたのですが、最近は中国製で安いのが出回るようになったようです。

ちなみに弊社で使っているものは、コニカミノルタ製の記録型で10万円以上もするものです。
お客様は3,000円のパルスオキシメータの測定精度を確かめようと、4500mで両方を使って測定したところ大差はありませんでした。

3,000円のパルスオキシメータが「ダメ」とは言えません。しかし、国内のあるメーカーは、弊社で何度も精度試験を行っています。値段には、それらの研究製造コストが製品にかかっているとも考えられます。日本製の信頼や検証精度などを考えると、3,000円のパルスオキシメータを高所で使うのは・・・お勧めできません。
安藤隼人
posted by トレーナー at 16:18| Comment(0) | 登山医学