2012年02月20日

札幌山岳医研修

17日から19日まで、日本登山医学会主催の講演会と認定山岳医研修会が札幌であり、お手伝いに行ってきました。

日本登山医学会の認定医制度は、国内の独自資格ではなく国際スタンダードに基づいた制度です。今回、制度を認定している機関の一つである国際山岳連盟医療部会の副代表Dr.John Ellerton が、日本制度の視察と講師役として来日しました。

まず金曜日の夜は、Dr. Johnと、国内初の国際山岳医である大城和恵医師が演者となり、雪崩埋没後の処置と低体温症の処置の新たな国際スタンダードについて、一般向けの講演会が行われました。一般向けといっても、消防関係者や航空自衛隊救難隊のメンバーなど、遭難救助のプロフェッショナルも多く参加していました。

そして土日は、テイネ山周辺を使った実習が行われ、北海道警察に全面的に協力していただきました。
はじめは隊員による、低体温症と雪崩埋没の遭難救助デモンストレーション。発見→要救助者のバイタル確認→保温・加温→搬送準備・状況報告→ヘリのランデブーポイントへの搬送と、無駄のない動きに受講生の医師らも感嘆しているようでした。隊員全員が積極的に声を出し合い、迅速かつ的確かつ丁寧な対応でさすがは日々訓練されている隊員だと思いました。
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さらにこの研修会の一番の目玉としてヘリコプターレスキューがありました。土曜日は午前中から雪が断続的に振り、ヘリ実習も半ば諦めていましたが、道警担当者の的確な判断で、「だいせつ」が実習場所へ飛んできました。
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事前に打ち合わせていた3名の受講生医師が要救助者役となり、頭上10〜5mのところでホバリングしながら、隊員の降下→ファーストエイド・一時救命処置→要救助者をホイストでつり上げをおこないます。
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すぐ近くでホバリングしている際の下降気流(ダウンウォッシュ)は、とてつもない風で、雪と混じって当たりを一瞬で猛吹雪と化します。その中で記録写真をとろうと風を正面から受けていたのですが、そのままだと数分で凍傷になってしまうだろうと簡単に想像できるくらい、強烈な風でした。私も何度かヘリコプターに乗った事はありましたが、一度ランディングすると出力を弱くしますし、冬山でのダウンウォッシュは初めてだったので、とても良い経験になりました。
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私は、2年前の山岳医制度発足からほぼすべての研修会に出向いて研修のサポートをさせていただいていますが、回数を重ねる度に受講生医師のスキルもあがっているように思いました。実践的なトレーニングを受けた山岳医が増えると、山岳遭難救助だけでなく海難救助や自然災害での救助においても救命率の向上につながると思います。

ただ山岳医が増えても、北海道警察のように医療との連携に積極的な機関が増えなければ組織救助はうまくいかないのも事実です。もちろん警察だけでなく、消防、自衛隊、海上保安庁など組織間の連携も必要になってきます。東日本大震災を機に徐々に変わりつつあるようですが、北海道は各機関の連携も本部同士で行われているようで、モデルになると感じました。

学会としての私の仕事は、このような活動が行われているという事を、組織のトップや政治家に目に留まるような広報をする事ですので、今後もダウンウォッシュに負けずカメラを向け、登山医学会の活動を広めていきたいと思います。

安藤隼人
posted by トレーナー at 11:41| Comment(0) | 登山医学
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